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先進医療認定施設の眼科クリニック。つくば橋本眼科です。

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〒305-0021 茨城県つくば市古来530


眼内レンズの種類について






 白内障手術の際に使用される眼内レンズは、一般的に単焦点の眼内レンズです。単焦点とは、どこか一点にピントが合うという意味です。そのため単焦点の眼内レンズが入っている眼は、遠方の見え方を重視すると近方はピントが合わないために老眼鏡が必要になります。逆に近方の見え方を重視すると、遠くを見るときには近視用のメガネが必要になります。つまり単焦点眼内レンズの場合は、日常生活上何らかのメガネが必要になってきます。それに対して、多焦点眼内レンズは遠方と近方の2点にピントが合うように設計されており、メガネへの依存度が大幅に軽減されます。『遠くも近くもできるだけメガネを使いたくない』というニーズにこたえる眼内レンズになります。
 
 しかし、レンズに二つの焦点を持たせることへの代償もあり、良い点ばかりではありません。近年の単焦点眼内レンズは収差(光学系において理想的な結像からのズレ)を抑えることによってより良い見え方を追求して参りましたが、多焦点眼内レンズの光学特性は収差を増大させることにつながるため、「遠近両方が見える代わりに画質が落ちる」ということにつながります。神経質な人や完全主義者と言われる性格の人には不向きなレンズと言われています。
 一般論として「高かろう良かろう。安かろう悪かろう。」という先入観がありますが、眼内レンズにおいては必ずしもそのようなことが当てはまりませんので、双方の特性を良く把握したうえでレンズを選択することが大切です。眼鏡をかけることに問題ない方は、自費負担をして多焦点眼内レンズを選択しなくても、保険適応の単焦点眼内レンズで十分満足いただけます。

 多焦点眼内レンズにはいくつかの種類がありますが、ここでは日常臨床で多く用いられている回析型のレンズを主として、単焦点レンズとの比較を簡単に述べてみます。


T、2種類の眼内レンズ(多焦点・単焦点)の比較について

 
★多焦点眼内レンズの長所
・遠方と近方の2か所にピントが合うため、メガネの必要性が低くなる。

(ピントが合いにくい距離もある為、眼鏡が完全に不要となる訳ではありません。術後の眼鏡の使用率は、遠方視の場合で12程度、近方視の場合で34程度と報告されています。近くを見るにあたり約1/3の人が何らかの老眼鏡を必要としているというデータ1)です。



★多焦点眼内レンズの短所
・保険適応外のため手術料金が高い
・夜間にハロー(光が散乱する)、グレア(まぶしさ)の自覚が多く、また、コントラスト感度の低下(色の濃淡)が発生しやすい。
・順応するのにある程度の時間が必要

*回折型眼内レンズの場合、階段状の段差を有する回折現象により2か所に焦点が形成され、入射光の41%ずつが遠用、近用に分配され残りの18%が回折により失われるため、コントラスト感度の低下が生じやすい。

その他、夜間運転の機会が多い人や、他の眼疾患(緑内障・黄斑変性症・角膜混濁・強い乱視など)がある場合は適応とならない場合が多いです。(職業ドライバーの場合、社内規定により多焦点眼内レンズの挿入を禁止している会社もあります)
 多焦点眼内レンズの適応として上記を十分ご理解いただける方のほか、比較的年齢が若く、両眼の手術希望の方、が良い適応と言われておりますが、手術後に高齢化によって他の眼疾患が発症した際には、それらに対する治療や検査に支障が出る可能性もゼロではありません。



★多焦点眼内レンズの満足度
 多焦点眼内レンズは、上記の長所短所を十分ご理解いただいた上で手術の施行となりますが、概ね8割の方が「満足」されるものの、1割の方が「期待はずれ」との評価をしています1。高い満足度が得られている反面、「夜間のグレア・ハローが気になる」との意見も約8の人から出るとのデータもあります。多焦点眼内レンズは、夜に車の運転をしなくてはならない環境の方には不向きであり、電車やバスだけで生活が出来るような人に向いていると言われています。


参考文献:
1)臨眼651):71-77, 2011


U、2種類の眼内レンズの見え方について


★単焦点眼内レンズの見え方(遠方視の設定:昼間イメージ)
単焦点眼内レンズを使用した場合の見え方の一例です。
遠くの風景や壁掛け絵ははっきり見えますが、手元のメモ紙はぼやけて見えます。このように、遠くにピントを合わせた場合は近くがぼやけます。





★多焦点眼内レンズの見え方(昼間イメージ)
多焦点眼内レンズの場合、遠くの風景と近くのメモ紙の両方にピントが合います。コントラスト感度の低下により、全体の画像のシャープさが低下します(少しかすむ)。

★単焦点眼内レンズの見え方(遠方視の設定:夜間イメージ)
遠くの指標がはっきりと見えますが、車の計器類は少し見えづらいです。


★多焦点眼内レンズの見え方(夜間イメージ)
遠くの指標と車内の計器類は良く見えますが、対向車のライトや街灯の光の散乱によるハローやグレアが気になります。





V、多焦点眼内レンズに関わる費用について

 単焦点眼内レンズを用いる一般的な白内障手術は、全額が保険適用の治療ですが、多焦点眼内レンズでの白内障手術の場合は手術費用が自己負担となります。

 当院は先進医療認定施設ですので、「多焦点眼内レンズを用いる白内障手術」は手術に係る医療費のみ自己負担となりますが、その他の術前・術後の検査・診察は通常の保険診療となります。

先進医療特約を付帯した民間の保険契約をされている方は、手術に関わる費用の給付が受けられます。 詳しくは加入の保険会社へお問い合わせ下さい。)


 当院の『多焦点眼内レンズを用いた白内障手術』の手術費用は以下の通りです

 先進医療
「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」の費用
 片眼: 40万円
(自己負担費用)

 先進医療 (乱視矯正機能がある眼内レンズの場合)
「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」の費用
 片眼: 44万円
(自己負担費用)
(乱視矯正レンズは目の状態により適応が異なりますので、すべての乱視に対応できるわけではありません。)


W、多焦点眼内レンズが不向きな方について

 
 多焦点眼内レンズの長所短所は上記のごとくであり、その評価は個々に分かれるところですが、多焦点眼内レンズは挿入の適応を検討するにあたり注意が必要なケースや非適応の場合があります。学会や論文などでよく挙げられているポイントについて、いかに列挙してみます。


多焦点眼内レンズを挿入するにあたり要注意もしくは非適応と考えられている例

・白内障以外の眼疾患がある方
・眼鏡をかけることを問題視していない方
・多焦点レンズへの期待が過度と思われる方
・繊細な性格や完全主義者の方(術後視力や手術成功率などが気になる方)
・近方を見ることがあまりない方
・精密な近方作業を行うことがある方
・レンズが高価というだけでの選択される方
・多焦点眼内レンズの理解が不十分な方


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